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  • 2014.03.03 Monday
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Round7:中村 肇 vs 仲田 涼

マジックとは、六十枚以上のメインボードと、十五枚のサイドボードによって戦うカードゲームである。

 十五枚のサイドボードは、マジックの試合においてとても重要である、ということは周知の事実だ。六十枚以上で戦うメイン戦は一戦のみだが、サイドボードを加えたゲームは二回あるのだ。十五枚という多くも少なくもない絶妙な枚数は、マジックを面白くしている重要なスパイスだ。特定のデッキへの対策や除去の追加、対コントロールへのプレインズウォーカー、コンボデッキが行うアグレッシブサイドボード…列挙していくと指の数が足らなくなる。マジックは、まさしく七十五枚で戦うゲームなのだ。


 だからこそ、異質なサイドボードは人々の目を釘付けにする。最も記憶に新しいのは、レガシーを代表するコンボデッキ、ベルチャーの、エイトグサイドボードであろう。

Sideboard
1《エイトグ/Atog(MRD)》
1《オーラトグ/Auratog(TSB)》
1《時エイトグ/Chronatog(VIS)》
1《森エイトグ/Foratog(8ED)》
1《リサトグ/Lithatog(ODY)》
1《メガエイトグ/Megatog(MRD)》
1《ネクロエイトグ/Necratog(WTH)》
1《ファンタトグ/Phantatog(ODY)》
1《サイカトグ/Psychatog(ODY)》
1《サルカトグ/Sarcatog(ODY)》
1《ソーマトグ/Thaumatog(ODY)》
1《アトガトグ/Atogatog(ODY)》
1《Chandler(HML)》
1《ゴブリンのゲーム/Goblin Game(PLS)》
1《蒸気打ちの親分/Steamflogger Boss(FUT)》


 メインはただのベルチャーデッキ。特筆すべきはそのサイドボードである。


 みよ!この美しいエイトグ達を!

 たくさんのプレイヤーを殺傷してきた悪魔の生物サイカトグを始め、おそらく一人もプレイヤーを殺めることがなかったであろう平和の象徴たるファンタトグまで、あらゆるエイトグが揃っている。

 ちなみにエイトグ(Atog)とはマジックの空想上の生物で、山羊(Goat)のアナグラムである。山羊が紙を食べるように、エイトグはカードを食べるのだ。


 ところでここはデッキ紹介をする場でも、レガシー環境を語る場でも、ましてやエイトグの豆知識を披露する場でもない。プレイヤー同士の知略による格闘を、文字という形でお届けする場所である。

 このカバレッジの責任は、筆者にこんなことを書かせるようなデッキを持ち込んだ、中村肇にあるのだ。


 ご存知第四期ミスターPWC、中村肇のデッキは、GPケベック・シティーでの鮮烈なデビュー後、マジックオンラインの大きな大会であるMOチャンピオンシップも制したことで有名となったジャンドゾンビである。厳しいマナ拘束を要求するこのデッキは、回った時のスピードは環境でもかなり早い部類に入る。


 注目すべきはそのサイドボードだ。


 ラヴニカの各ギルドマスター達に加え、四種類のプレインズウォーカー…そしてそれを出すための彩色の灯篭…このカラフルなサイドボードこそ、中村肇のジャンドゾンビである。


 そんなギルドマスタープレインズウォーカージャンドゾンビに相対する仲田涼のデッキも、これまたGPケベック・シティーでの優勝が記憶に新しい、ナヤヒューマンだ。

 スタンダードにもかかわらず三ターンキルすら可能なナヤヒューマンは、文句なく現環境最速のビートダウンである。それを可能としているのが《炎樹族の使者/Burning-Tree Emissary(GTC)》だ。モダンでもデッキの軸となっているこの赤緑の金属ガエルは、スタンダード環境にとどまらず、エターナルにも影響を及ぼした。



 流行りのビートダウン同士が激突することになったが、中村のサイドボードは唸りをあげるのだろうか。
 

「Game1」


 中村が《墓所這い/Gravecrawler(DKA)》のあるオープニングハンドをキープしたのに対し、仲田はダブルマリガン。これもギルドマスターの力なのであろうか。

 墓所這いに一度のアタックを許すものの、二ターン目には《炎樹族の使者/Burning-Tree Emissary(GTC)》、更にそのマナから《火打ち蹄の猪/Flinthoof Boar(M13)》と、ダブルマリガンとは思えない展開の仲田。だか中村はこの猪に突然の《突然の衰微/Abrupt Decay(RTR)》を打ち込むと《ゲラルフの伝書使/Geralf's Messenger(DKA)》でプレッシャーをかける。

 これに対して、今引いたのであろ炎樹族の使者をプレイすることしか出来ない仲田。ダブルマリガンの差はやはり大きい。

 中村は墓所這い、ゲラルフの伝書士に、《屑肉の刻み獣/Dreg Mangler(RTR)》を加えて、レッドゾーンにオールイン。炎樹族の使者がゲラルフの伝書士をブロックし、相打ちかと思われたが、仲田は巨大化で炎樹族の使者を生かす。

 更に炎樹族の使者をプレイした仲田は、そのマナから《灼熱の槍/Searing Spear(M13)》をゲラルフの伝書士に打ち込み、逆に炎樹族の使者で殴り始める。とは言っても二体の炎樹族の使者が、屑肉の刻み獣を迎え撃つ準備はしている。


 中村は実はこの間、土地しか引いてなかった。手札にたくさんの土地を握りしめながら墓所這いと屑肉の刻み獣で攻撃する。屑肉の刻み獣は炎樹族の使者と相打ちとなり、その骸は墓所這いの強化のための活用となった。

 仲田は《実験体/Experiment One(GTC)》をプレイし、炎樹族の使者二体によるビートダウンを始める。

 気合いのこもった中村のドローは、ダメージレースの最中としては少し心もとない《戦墓のグール/Diregraf Ghoul(ISD)》。墓所這いのアタックを実験体でチャンプブロックさせ、引いた戦墓のグールをキャストする。

 ここで仲田のトップデッキがなんと《アヴァブルックの町長/Mayor of Avabruck(ISD)》。これによりダメージレースは互角…だったのだが。

 ライフが足りない。。。5/4の墓所這いに対してアヴァブルックの町長がブロックに向かうしかなくなってしまい、事態は解決せず。

 ライフを2残しながら、ギリギリのダメージレースを中村が制したのだった。


中村 1-0 仲田


「Game2」

 今度はオープニングハンドに満足がいったようで、すぐに七枚で始めることを告げる仲田。中村は初手を見て含み笑いをするが、キープを宣言する。ギルドマスターの加護があったのだろうか?

 仲田の即キープの理由はすぐに明らかとなった。踏み鳴らされる地から実験体というスタートを切ると、二ターン目に炎樹族の使者を二枚(!)プレイし、更に火打ち蹄の猪をキャスト!なんと二ターン目にして10点分のクロックを場に用意したのだ。

 これには中村もたまらず「えぇ!?」と声を上げる。

 せめてもの抵抗にと《ロッテスのトロール/Lotleth Troll(RTR)》をプレイした中村だったが、ブロックしたクリーチャーに向かって《ゴーア族の暴行者/Ghor-Clan Rampager(GTC)》が湧血されたのを見ると、たった三枚しかないパーマネントを片付けた。

中村 1-1 仲田




「Game3」

 ボロスの精鋭からゲームをスタートした仲田は、アヴァブルックの町長を二ターン目にキャストと、まずまずのスタート。

 だが中村は先手の利を生かして盤面上の優位を築く。一ターン目には行動を起こさなかったものの、二ターン目にはロッテスのトロール、そして続くターンに《ドムリ・ラーデ/Domri Rade(GTC)》をプレイし、《ファルケンラスの貴種/Falkenrath Aristocrat(DKA)》を手札から捨てて3/2とした後に、アヴァブルックの町長と格闘させる。
 
 仲田は《教区の勇者/Champion of the Parish(ISD)》、火打ち蹄の猪と並べるのみ。ロッテスのトロールが立ちはだかっており、ドムリ・ラーデに攻撃に向かえない。

 そのドムリ・ラーデは《死儀礼のシャーマン/Deathrite Shaman(RTR)》を中村へと与える。場には四マナあるが、プレイしたのは《屑肉の刻み獣/Dreg Mangler(RTR)》のみ。ロッテスのトロールの再生マナを残し、攻撃に備える。

 仲田は炎樹族の使者をプレイして教区の勇者を一つ大きくすると、ここまで八面六臂の活躍を見せているドムリ・ラーデへとフルアタックを敢行する。
 
 火打ち蹄の猪がロッテスのトロールに、教区の勇者が屑肉の刻み獣によってブロックされ、《ボロスの精鋭/Boros Elite(GTC)》でドムリ・ラーデを戦場から退けることにこそ成功する仲田ではあったが、その代償は大きく、盤面には炎樹族の使者とボロスの精鋭のみとなってしまう。

 そして、この瞬間を見逃す中村ではなかった。

 一ターン前まで守りに入っていた屑肉の刻み獣とロッテスのトロールで攻撃し始めたのだ。更に二枚目のロッテスのトロールと死儀礼のシャーマンを追加したことで、中村の優位が更に確立されていく。

 ロッテスのトロールの成長のために《暴動の長、ラクドス/Rakdos, Lord of Riots(RTR)》を捨てるという、ギルドマスターの加護を失う禁を犯しながらも、中村は仲田のライフを全て削り切ったのだった。
 
中村 2-1 仲田


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  • 2014.03.03 Monday
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