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  • 2014.03.03 Monday
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Round 8 : 伊藤 大明(神奈川) vs. 太田 瞬(埼玉)

Round 8 : 伊藤 大明(神奈川) vs. 太田 瞬(埼玉)
By 和田“Hanoi” 寛也


 7ラウンドという長きに渡って行われた日本選手権予選もいよいよ最終ラウンド。日本選手権という舞台を争う最終テーブルに着いたのは伊藤 大明と太田 瞬。どちらも現在2敗。OWM%から見るに勝者が日本選手権への切符を手にする大事な一戦だ。

 伊藤 大明(神奈川)…先日行われたグランプリ仙台にてベスト4という成績を納め、今最も注目を集めるプレイヤーの一人である彼もまた、PWCを中心に活動する一人である。そんな彼、実はまだ日本選手権の権利は獲得していないという。グランプリを勝った勢いそのままに日本選手権の権利も獲得出来るだろうか。使用デッキは徴兵バントである。

 太田 瞬(埼玉)…普段は立川にある"ファミコン君2号店"でマジックを楽しんでいるという太田、日本選手権への切符を求めて彼もまた、2敗ながらこの席に着いている。使用デッキは続唱ジャンド。《不屈の自然/Rampant Growth》のスロットを《豊穣の痕跡/Trace of Abundance》に変え、コントロールデッキへの耐性を高めているのが特徴だ。

Game1

 ダイスロールの結果先手は伊藤。・マリガンの後

《霧深い雨林/Misty Rainforest》
《島/Island》
《極楽鳥/Birds of Paradise》
《水蓮のコブラ/Lotus Cobra》
《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》
《不屈の随員/Dauntless Escort》

というハンドをキープする。

 一方の太田は初手の七枚を見て大いに悩む。その7枚とは以下の通りである。
《竜髑髏の山頂/Dragonskull Summit》
《怒り狂う山峡/Raging Ravine》
《豊穣の痕跡/Trace of Abundance》
《終止/Terminate》
《終止/Terminate》
《芽吹くトリナクス/SproutingThrinax》
《芽吹くトリナクス/SproutingThrinax》
悩み抜いた末にこのハンドをキープした太田、アンタップインランドを引き込めれば順調に展開出来るハンドといったところか...しかしそのような思いとは裏腹に、引くカードは《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》...そして遅れてやってくる《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》という散々なもの。

 この間にも伊藤は《極楽鳥/Birds of Paradise》から《不屈の随員/Dauntless Escort》《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》そして《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》と順調に展開し太田のライフを脅かす。

 ようやく太田が《沼/Swamp》を引き込み《豊穣の痕跡/Trace of Abundance》から《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》と繋げたターンエンドに、伊藤は《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》の能力で《天界の列柱/Celestial Colonnade》をサーチすると、返しで《天界の列柱/Celestial Colonnade》の起動も含めてフルアタック。太田のライフを残り4とする。この伊藤の攻勢を前にして、太田は次のゲームの準備を始めるのだった。

伊藤1 – 0 太田


太田は《豊穣の痕跡/Trace of Abundance》《荒廃稲妻/Blightning》《狂乱のサルカン/Sarkhan the Mad》らをサイドアウトし《破滅の刃/Doom Blade》《紅蓮地獄/Pyroclasm》《消耗の蒸気/Consuming Vapors》そして《ゴブリンの廃墟飛ばし/Goblin Ruinblaster》をサイドイン。

一方の伊藤は《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》を全てサイドアウト。《否認/Negate》と《無傷の発現/Emerge Unscathed》をサイドインした。

Game2

 太田の先手で始まるGame2、太田は土地が4枚に《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》《紅蓮地獄/Pyroclasm》《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》というハンドをキープする。

 一方の伊藤も《活発な野生林/Stirring Wildwood》を含む土地が3枚に《極楽鳥/Birds of Paradise》《極楽鳥/Birds of Paradise》《悪斬の天使/Baneslayer Angel》《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》というもの。これをキープする。

 太田の先手2t目の《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》に対し、4/4の《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》で応える伊藤。しかしこれにはすかさず太田の《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》。力強くパンプアップされた《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》が攻勢に出、伊藤のライフは早くも11まで削られてしまう。

 しかし、太田がダメ押しとばかりにキャストした《紅蓮地獄/Pyroclasm》から《極楽鳥/Birds of Paradise》を《無傷の発現/Emerge Unscathed》で守ると、伊藤の返すアクションは《悪斬の天使/Baneslayer Angel》!

 これを除去出来ない太田。盤面に並ぶ2体の《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》と《芽吹くトリナクス/SproutingThrinax》は《悪斬の天使/Baneslayer Angel》の前に沈黙を余儀なくされる。そして野蛮な地からの生還を果たした《悪斬の天使/Baneslayer Angel》が静かにその剣を振り下ろし始めると、それは戦いの終わりを静かに告げるのだった。


伊藤2 – 0 太田

Round 6 : 太田 恭平(横浜) vs. 中村 篤史(静岡)

Round 6 : 太田 恭平(横浜) vs. 中村 篤史(静岡)

By 和田“Hanoi”寛也


 日本選手権予選神奈川一次・ラウンド6。長丁場に渡る予選もいよいよ佳境にさしかかる。このラウンドで対戦をお伝えするのは全勝対決。勝利したプレイヤーが予選突破を確実なものとする大事な一番だ。対戦するプレイヤーを紹介しよう。


 中村 篤史 …日本選手権の舞台を求めて静岡から遠征してきたプレイヤーである。とは言ったものの、彼自身はGPT、PTQがある場所ならどこへでも行く遠征系プレイヤーであり、つい先日もプエルトリコはサンファンに遠征してきたばかり。本日使用するデッキは《稲妻/Lightning Bolt》《噴出の稲妻/Burst Lightning》がメインサイド共に0枚という、上陸ボロスである。


 太田 恭平…ティム東白楽店で日頃マジックを楽しむプレイヤーが日本選手権予選を5−0まで駆け上がってきた。使用デッキは続唱ジャンド。メインに《深淵の迫害者/Abyssal Persecutor》を搭載した所謂デーモンジャンドだ。

Game1
 ダイスロールの結果先手は中村。オープニングハンドは

《山/Mountain》
《湿地の干潟/Marsh Flats》
《ゴブリンの先達/Goblin Guide》
《ゴブリンの先達/Goblin Guide》
《地獄の雷/Hell'sThunder》
《忘却の輪/OblivionRing》
《イーオスのレインジャー/RangerofEos》

という素晴らしい内容のものであり中村はこれをキープ。

対する太田のハンドは
《野蛮な地/SavageLands》
《怒り狂う山峡/Raging Ravine》
《新緑の地下墓地/Verdant Catacombs》
《朽ちゆくヒル/Putrid Leech》
《荒廃稲妻/Blightning》
《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》
《狂乱のサルカン/Sarkhan the Mad》
というもので、こちらも決して悪い初手ではないが、それも中村のハンドとデッキを知らない前提での話である。

1、2t目に展開される《ゴブリンの先達/Goblin Guide》は太田のライフを14点程奪い、中村は先手5t目にキャストした《地震/Earthquake》でトドメを刺した。

この間太田が出来ることは《終止/Terminate》を《地獄の雷/Hell'sThunder》に併せるぐらいだった。

太田 0 – 1 中村

中村は《忘却の輪/OblivionRing》《コーの空漁師/Kor Skyfisher》をサイドアウトし《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》と《天界の粛清/Celestial Purge》をサイドイン。

一方の太田は《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》《深淵の迫害者/Abyssal Persecutor》《大渦の脈動/Maelstrom Pulse》をサイドアウト。《強迫/Duress》《消耗の蒸気/Consuming Vapors》《ジャンドの魔除け/JundCharm》《マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitch》等をサイドインした。


Game2
 先手の太田は土地が5枚に《不屈の自然/Rampant Growth》《マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitch》というハンドをキープする。

 一方後手の中村、土地が3枚に《天界の粛清/Celestial Purge》《ゴブリンの奇襲隊/Goblin Bushwhacker》《板金鎧の土百足/Plated Geopede》《流刑への道/Path to Exile》をキープする。

 先手の太田がタップインランドを置いた返しのターン。中村のアクションは《ゴブリンの先達/Goblin Guide》!!なんとこの男、初手に無かった《ゴブリンの先達/Goblin Guide》を引き込んでいる。これが「今日の人」なのか、《ゴブリンの先達/Goblin Guide》が日本選手権予選を駆け抜ける。

 《不屈の自然/Rampant Growth》でマナを加速させるも先手3t目に手札に残るは今引きの《稲妻/Lightning Bolt》と《マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitch》そして4枚の土地のみ。中村の《ゴブリンの先達/Goblin Guide》《板金鎧の土百足/Plated Geopede》を前にアクション無しでターンを返さざるを得ない。

 そして再び中村の後手3t目。ここで中村が長考する。中村の手札はフェッチ2枚を含む3枚の土地、《天界の粛清/Celestial Purge》《流刑への道/Path to Exile》《ゴブリンの奇襲隊/Goblin Bushwhacker》である。太田のハンドに《稲妻/Lightning Bolt》があることは《ゴブリンの先達/Goblin Guide》の能力で把握しており、如何にして攻めるかを考える。

 まず中村は《ゴブリンの奇襲隊/Goblin Bushwhacker》をキッカー込みでキャスト。これが解決され、能力も解決されると、さらに《湿地の干潟/Marsh Flats》をセットする。ここで太田、《板金鎧の土百足/Plated Geopede》を対象に《稲妻/Lightning Bolt》。+2/+2の能力が解決される前に《板金鎧の土百足/Plated Geopede》を除去する構えだ。

 次の瞬間の中村のアクションは素早かった。太田の《稲妻/Lightning Bolt》に対応して《湿地の干潟/Marsh Flats》を起動、《平地/Plains》を導くとそのまま《ゴブリンの奇襲隊/Goblin Bushwhacker》を対象に《流刑への道/Path to Exile》!!

 これにより《板金鎧の土百足/Plated Geopede》は都合+4/+4の修正を受け、《稲妻/Lightning Bolt》では死なないサイズまで成長した。さらに残る上陸修正も解決。7/6の《板金鎧の土百足/Plated Geopede》と3/2の《ゴブリンの奇襲隊/Goblin Bushwhacker》が戦場を駆ける。

 中村のビッグアクションにより思わぬダメージを受けてしまった太田、11点のライフを奪われ残りライフは僅か5である。

 そして太田のドローは2枚目の《マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitch》。2枚の《マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitch》では中村の軍勢を捌ききることは叶わないのだった。

太田 0 – 2中村

Round 3 : 小宮 忠義(神奈川) vs. 樋口 証(神奈川)

Round 3 : 小宮 忠義(神奈川) vs. 樋口 証(神奈川)
By 和田“Hanoi”寛也



 ラウンド3の対決は、互いに2−0と順調な滑り出しを見せた小宮忠義と樋口証の試合をお届けしよう。

 小宮 忠義…「ブルーマスター」。競技マジックに生きる者ならば誰もが知るこの名前、日本選手権・Finalsと数々のトーナメントにおいて輝かしい結果を残し、日本の黎明期マジックシーンを支えたプレイヤーである。本日の予選会に持ち込んだデッキは徴兵バント。エルドラージ覚醒で得た《失われたアラーラの君主/Sovereigns of Lost Alara》《エルドラージの徴兵/Eldrazi Conscription》の瞬殺コンボを組み入れたビートダウンデッキである。

 樋口 証…神奈川に居を構え、地元PWCを中心に活動するプレイヤーである。「テンペストから始め、ミラディンで一度止めたんですけどゼンディカー発売の頃から再開したんですよ」と語る彼は、かつては横須賀で開催されていた"RINGS"と呼ばれる大会に参加していたらしく、マジックのキャリアとしてはこちらもベテランと言って良いだろう。今日のデッキは自作の赤白コントロール。PWCにおいても上位入賞という結果を残しており、デッキポテンシャルは充分だ。


 ダイスロールの結果先手は樋口。互いにマリガンを宣言し6枚同士でのスタートとなった。

 土地×3、《巡礼者の目/Pilgrim's Eye》《復讐のアジャニ/AjaniVengeant》《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》というハンドをキープした樋口に対し、土地×4《水蓮のコブラ/Lotus Cobra》《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》をキープした小宮の《水蓮のコブラ/Lotus Cobra》がファーストアクション。樋口が《巡礼者の目/Pilgrim's Eye》をキャストする返しの小宮のアクションは《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》...ではなく先ほど引き込んだ《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》。



 返す樋口、《復讐のアジャニ/AjaniVengeant》をキャストし《水蓮のコブラ/Lotus Cobra》を即除去してターンを返す。手札には《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》、《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》そして《稲妻/Lightning Bolt》。

 この間土地を引き続けてしまい後続が欲しい小宮は《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》をキャストし、一度忠誠値を5にするために”消術”能力を使用。樋口のライブラリートップが土地であることを確認した後そのままターンエンド。《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》は5/5。

 しかし、この小宮の行動は裏目に出てしまう。《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》の能力によるダメージと《稲妻/Lightning Bolt》により《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》を失ってしまう。小宮の手札は土地が2枚に《貴族の教主/Noble Hierarch》のみ。トップデッキした《悪斬の天使/Baneslayer Angel》とそれをも超えるサイズに成長した《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》で応戦するものの、樋口のキャストする《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》と《軍部政変/Martial Coup》の前に投了を宣言した。

 

小宮 0 – 1 樋口

小宮は《失われたアラーラの君主/Sovereigns of Lost Alara》《エルドラージの徴兵/Eldrazi Conscription》コンボを全てサイドアウトし《否認/Negate》《瞬間凍結/Flashfreeze》《天界の粛清/Celestial Purge》をサイドイン。

対する樋口、悩みながらもメインの構成をで充分戦えると判断したのか、サイドの《真髄の針/Pithing Needle》一枚を《巡礼者の目/Pilgrim's Eye》と交換するのみ。

Game2

 先手の小宮は土地4枚(含むフェッチランド3)に《極楽鳥/Birds of Paradise》《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》《天界の粛清/Celestial Purge》をキープ。

 後手の樋口は1マリガンの後《カビーラの交差路/Kabira Crossroads》《山/Mountain》《稲妻/Lightning Bolt》《前兆の壁/Wall of Omens》《復讐のアジャニ/AjaniVengeant》《真髄の針/Pithing Needle》をキープ。土地さえ引ければ良いハンドだ。

 小宮の《極楽鳥/Birds of Paradise》をセットランド《山/Mountain》から《稲妻/Lightning Bolt》で対処する樋口。後手2t目には《平地/Plains》を引き込み《前兆の壁/Wall of Omens》をキャストする。

 一方の小宮は《極楽鳥/Birds of Paradise》を失ってしまったため、《島/Island》と《森/Forest》しかない盤面からは《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》をキャスト出来ない。《否認/Negate》を構えてターンエンドを宣言する。返す樋口の《真髄の針/Pithing Needle》は通す。針の指定は《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》。

 先手4t目の小宮は引き込んだ《貴族の教主/Noble Hierarch》をキャストしそのままエンド。返す樋口の《復讐のアジャニ/AjaniVengeant》を《否認/Negate》し、《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》へ繋ぐ。

 返す樋口はここで手札にある《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》をキャスト...したいところだが、土地が4枚で止まってしまい、ノーアクションでターンを返さざるを得ない。

 これをチャンスと見た小宮、《聖遺の騎士/Knight of the Reliquary》から念願の《平地/Plains》を導くと《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》から樋口のライフを狙う。

 これに対して樋口は《真髄の針/Pithing Needle》(指定:《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》)で対応するが、未だ土地を引けない。樋口の手札は《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》《悪斬の天使/Baneslayer Angel》《軍部政変/Martial Coup》とあるが、キャスト出来ないカードに意味は無い。耐えきれるか。

 小宮のキャストした《忘却の輪/OblivionRing》により再びアクティブとなった《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》を、自身の《エルズペス》対消滅させる間にも小宮の攻勢を受け、樋口のライフは7まで追いつめられる。一方の小宮は《貴族の教主/Noble Hierarch》《ロウクスの戦修道士/RhoxWarMonk》《天界の粛清/Celestial Purge》とあるが《審判の日/Day of Judgment》を警戒してか《ロウクスの戦修道士/RhoxWarMonk》は手札に温存。《天界の列柱/Celestial Colonnade》での攻撃を継続する。

 ようやく5枚目の土地を引き込んだ樋口。《悪斬の天使/Baneslayer Angel》をキャストするが、それは2体の《貴族の教主/Noble Hierarch》にバックアップされた《天界の列柱/Celestial Colonnade》に対してはチャンプブロックによる時間稼ぎにしかならなず、同様にキャストした《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》も《天界の粛清/Celestial Purge》されてしまう。



 しかし《悪斬の天使/Baneslayer Angel》《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》が稼いだ時間は樋口に残り2枚の土地を与えた。7枚目の土地である《カビーラの交差路/Kabira Crossroads》をセットしライフを10としターンを返すと、返す小宮のアクションはアタックの後《ロウクスの戦修道士/RhoxWarMonk》。これを引き込んだ8枚目の土地と併せて《軍部政変/Martial Coup》X:6で流すと盤面は一気に樋口の物に。唯一の懸念材料である《天界の列柱/Celestial Colonnade》も《地盤の際/Tectonic Edge》で破壊。2枚目の《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》をキャストすると、マナクリーチャーを引き続けてしまった小宮は投了を宣言した。


小宮 0 – 2 樋口

Round 1 : 石川翔(東京) vs. 笹本木綿子(千葉)

By 和田 寛也

石川翔(東京)…グランプリ新潟ベスト8のリミテッド強者は、独自の構築理論の持ち主もある。普段池袋アメニティを中心に活動している彼もまた、日本選手権という舞台を目指す一人だ。今日の予選会に持ち込んだデッキはバントカラーのプレインズウォーカーコントロールデッキ。「《豊穣の痕跡/Trace of Abundance》をミシュラランドに付けるプランがコントロールデッキに対して有効なんですよ」とは本人の談。


笹本木綿子(千葉)…都内近郊の草の根大会に積極的に参加している彼女は、代々木で行われたLMCと呼ばれる大会での優勝経験もある女性プレイヤーだ。彼女はゼンディカー発売後からジャンドデッキを使い続けており、今日の予選会でも使い慣れたデッキを選択している。


Game1

 ダイスロールの結果先手は石川。

土地5枚
《前兆の壁/Wall of Omens》
《精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor》

というハンドをマリガンすると、続く6枚の手札もマリガン。
《悪斬の天使/Baneslayer Angel》
《悪斬の天使/Baneslayer Angel》
《前兆の壁/Wall of Omens》
《豊穣の痕跡/Trace of Abundance》
《天界の列柱/Celestial Colonnade》
と言ったハンドをキープせざるを得ず、何ともさい先の悪い日本選手権予選となってしまった。

一方の笹本は1マリガンの後

土地4
《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》
《終止/Terminate》

というハンドをキープ宣言した。

 土地を引きたい石川。先手2ターン目のドローは・・・《陽花弁の木立ち/Sunpetal Grove》!!なんとか《豊穣の痕跡/Trace of Abundance》《前兆の壁/Wall of Omens》といった序盤のアクションを確保すると、キャントリップで手札を整えながら、笹本の手札から繰り出される脅威に対処してゆく。

 対する笹本は《芽吹くトリナクス/SproutingThrinax》《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》《包囲攻撃の司令官/Siege-Gang Commander》と積極的に展開してゆく。しかし石川のプレイした《広がりゆく海/Spreading Seas》によって黒マナを潰され《悪斬の天使/Baneslayer Angel》もゴブリントークン3体と交換せざるを得ない。

笹本の手札には
《終止/Terminate》
《終止/Terminate》
《瀝青破/Bituminous Blast》
《荒廃稲妻/Blightning》

しかし黒マナを引けない笹本。

石川のキャストする

2体の《徴兵されたワーム/Enlisted Wurm》。そして《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》。

チャンプアタックを強要されながらライフを5点づつ削られた笹本は、ライブラリトップを確認するとカードを片付けるのだった。

石川1 – 0 笹本

笹本は《悪斬の天使/Baneslayer Angel》に対抗するために《マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitch》を、対する石川は《マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitch》に対処出来る《精神の制御/Mind Control》をサイドイン。

Game2

 一本目をダブルマリガンながらも順調にマナをのばし勝利した石川を、またもマリガンが襲う。今回は何とか1マリガンでキープ。対する笹本は

《溶岩爪の辺境/Lavaclaw Reaches》X2
《怒り狂う山峡/Raging Ravine》X2
《ムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Daya》
《稲妻/Lightning Bolt》
《マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitch》

という内容の初手をキープ。Game1のような色事故の心配は無さそうだ。

 先手3t目に《国境地帯のレインジャー/Borderland Ranger》キャストから4t目に《ムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Daya》と展開してゆく笹本に対し、石川は5t目に《悪斬の天使/Baneslayer Angel》で対応を迫る。これに対し笹本の手札に確定除去カードは無く、仕方なく《瀝青破/Bituminous Blast》を《前兆の壁/Wall of Omens》にプレイ。するとプレイされたのはライブラリトップに公開された《荒廃稲妻/Blightning》。

石川は
《広がりゆく海/Spreading Seas》
《精神の制御/Mind Control》
《審判の日/Day of Judgment》
《徴兵されたワーム/Enlisted Wurm》

から《広がりゆく海/Spreading Seas》《審判の日/Day of Judgment》をディスカード。笹本は《悪斬の天使/Baneslayer Angel》が居るため攻撃出来ず、ターンエンドを宣言する。

返す石川、《悪斬の天使/Baneslayer Angel》で攻撃した後キャストした《徴兵されたワーム/Enlisted Wurm》から捲れたのは《遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant》。兵士トークンで守りを固めつつ笹本へのプレッシャーをかける。

これに対して笹本は《マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitch》と《真髄の針/Pithing Needle》で対抗しようとするが、石川の《精神の制御/Mind Control》がそれを許さない。そして《マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitch》《悪斬の天使/Baneslayer Angel》《徴兵されたワーム/Enlisted Wurm》

と展開された石川の脅威に対する回答を笹本は用意出来ないのだった。


石川2 – 0 笹本


終了後、観戦していた友人が笹本の元に集まる。

「《ムル・ダヤの巫女/Oracle of Mul Daya》で追加のランドセット忘れてたでしょ!」

「《マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitch》1ターン遅れたよ!!」


ここは日本選手権予選。一つのミスが勝敗を分ける過酷な舞台なのだ。