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  • 2014.03.03 Monday
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Round 4:相澤 恵司(茨城) vs. 兼清 隆介(東京)

Round 4:相澤 恵司(茨城) vs. 兼清 隆介(東京)
By Daisuke Kawasaki

「相澤 恵司の1年間は今日この日の、たった今、この瞬間の為にあるんです!」

 スタッフの満場一致で決まったRound 4のフィーチャリングマッチ。そう、「スタンダードの貴族」相澤 恵司の登場だ。

 昨年に続き、ほぼ今シーズンのMr.PWC(年間ポイントレース最優秀者)を確定させ、会場に3人しかいないBye 3を持っている相澤。あえて、この瞬間に相澤を呼ばずとも、もっとふさわしい、より「かかった」マッチを呼べばいいと思うかも知れない。

 だが、相澤にとって、このマッチほど「かかっている」マッチもない。

 ちょうど1年前。ほぼMr.PWCを確定させ、そして5-0-2のトップ8入賞への優先席であるBye 3を確保してPWC Championship2011に参加した相澤だったが……そこからの2連敗。1年間の集大成であるChanpionshipで、1年間に1番がんばった人間が、無残。今年もそんな事になってはあまりに無残、そう考えたPWCスタッフは、誰もがこのラウンドでの相澤のフィーチャーをプッシュした。

 そして相澤はトラウマを克服するべく、再び100ポイント以上の差をつけて、ほぼ確定したMr.PWCの称号とBye 3をひっさげて帰ってきた。今年も一番がんばったのは相澤だ。ここで昨年のトラウマを克服するべく、相澤はこのマッチを勝たなければいけない。ここが相澤の熊の場所だ。

 そんな相澤のトラウマ克服を阻止するべく立ちはだかる熊、それが兼清だ。毎年、PWCポイントレース上位に食い込み、そして、PWCCでは毎度の様にMr.PWCとマッチアップするPWCを代表する強豪だ。

 相手にとって不足はない。相澤のデッキは青白のDelver Blade。対する兼清は赤緑ケッシグで相澤に新たなトラウマを植え付ける事はできるのか。



Game 1

 後手の兼清がマリガンしたのに対して、相澤は1ターン目の《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets》から、2ターン目のアップキープに《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》がめくれて変身を果たす。《ルーン唱えの長槍/Runechanter's Pike(ISD)》をプレイすると、3点のアタック。対する兼清もなんとか2ターン目にマナ加速をしているのだが、果たして間に合うのか。

 3ターン目。《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft(ISD)》をプレイするために必要な白マナを手に入れられなかった相澤は、自身の手札をみて小考する。そして、《ルーン唱えの長槍/Runechanter's Pike(ISD)》を《昆虫の逸脱者/Insectile Aberration(ISD)》に装備させると、2枚の《はらわた撃ち/Gut Shot》をプレイして一気に5点のダメージを与える。

 兼清は《金屑の嵐/Slagstorm》で盤面を一掃。これは《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》で《昆虫の逸脱者/Insectile Aberration(ISD)》を手札に戻して交わす相澤だったのだが、《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets(ISD)》の2度目の変身が遠い。

 《夜明け歩きの大鹿/Dawntreader Elk》で時間を稼ぎつつ、マナを伸ばした兼清は《原始のタイタン/Primeval Titan》をプレイ。これは《雲散霧消/Dissipate(ISD)》で打ち消され、《ルーン唱えの長槍/Runechanter's Pike(ISD)》に強化された相澤の《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets(ISD)》のパワーは5となる。

 この《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets(ISD)》がアタックして兼清のライフは5。すでに白マナを確保していた相澤は《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft(ISD)》をプレイ。兼清はこれを《マナ漏出/Mana Leak》をケアした3マナを残しながらの《審判の日/Day of Judgment》で一掃する。

 返して相澤は、《磁器の軍団兵/Porcelain Legionnaire》をファイレクシアマナを支払ってプレイ。《ムーアランドの憑依地/Moorland Haunt(ISD)》の為のマナを残しながらターンを終了。兼清は《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus》と1マナを残して《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》をプレイし、[+2]能力を起動する。

 相澤は、兼清のターンエンドに《ムーアランドの憑依地/Moorland Haunt(ISD)》でスピリットをうみ出すと、自分のターンにこれに《ルーン唱えの長槍/Runechanter's Pike(ISD)》を装備。合計8点分のクロックを用意した上で、ブロックしようとした《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus》を《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》で排除し、一撃で《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》を葬り去る。

 まずは《金屑の嵐/Slagstorm》で盤面を一掃した兼清は《不屈の自然/Rampant Growth》をプレイ。対して相澤は《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets(ISD)》をプレイ。そしてこれは《思案/Ponder》で積み込んだ《思案/Ponder》によってすぐさま変身を果たす。

 2枚目の《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》をプレイし、[+2]能力を起動していた兼清。《ルーン唱えの長槍/Runechanter's Pike(ISD)》を装備したスピリットトークンを《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus》でブロックし、さらに《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》でターンを稼ぐ権利を得る。果たして、その稼いだターンに何ができるのか。

 兼清の持つ可能性は、《原始のタイタン/Primeval Titan》だった。この《原始のタイタン/Primeval Titan》で2枚の《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus》をサーチすると、《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》にカウンターを二つのせてターンを終える。

 2体の飛行クリーチャーが《ギデオン・ジュラ/Gideon Jura》に吸いよせられた後に、相澤は手札を見て考える。手札には《磁器の軍団兵/Porcelain Legionnaire》と《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft(ISD)》。戦場にある白マナは1枚。《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft(ISD)》と《ムーアランドの憑依地/Moorland Haunt(ISD)》の起動を同時にできない相澤。考えた末に《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft(ISD)》をプレイしてターンを返す。

 兼清は《不屈の自然/Rampant Growth》をプレイしてターン終了。相澤は《思考掃き/Thought Scour》をプレイした後に、《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft(ISD)》の産み出す4/4天使を含む3体のクリーチャーでアタック。ライフが4の兼清は《昆虫の逸脱者/Insectile Aberration(ISD)》をスルーして残りライフが1になる。

 この時点で相澤のライフは13だが、これはファイレクシアマナと自身にうった《蒸気の絡みつき/Vapor Snag》によるものだ。結局、大量に土地を並べた兼清は、相澤のライフを1点も削らないまま、その土地を片付けた。

相澤 1-0 兼清

Game 2

 先手の兼清はマリガン。対して、相澤は《島/Island(ISD)》《氷河の城砦/Glacial Fortress》《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft(ISD)》《戦争と平和の剣/Sword of War and Peace》《鋼の妨害/Steel Sabotage》に《思案/Ponder》が2枚という初手をキープする。

 相澤は1ターン目に《思案/Ponder》、兼清は2ターン目に《不屈の自然/Rampant Growth》と順調に展開。《思案/Ponder》で3枚の土地というトップをキープした相澤は、2枚目の《思案/Ponder》を2ターン目にプレイする。

 兼清は、続いて4枚目・5枚目・6枚目と土地を置く。その間に相澤はじっくりと構え、《マナ漏出/Mana Leak》のマナを残して《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft(ISD)》を着地させる。兼清は《夜明け歩きの大鹿/Dawntreader Elk》を《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft(ISD)》のキャッチャーとして用意する。

 ここは当然の《ルーン唱えの長槍/Runechanter's Pike(ISD)》装備によって強引にねじ込むプランの相澤なのだが、手札のカウンターで対応しきれない《古えの遺恨/Ancient Grudge》によって《ルーン唱えの長槍/Runechanter's Pike(ISD)》が破壊されてしまう。

 追加のクロックを持たない相澤と決め手に欠ける兼清が互いにターンを返した後に、相澤は《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets(ISD)》をトップデック。これをプレイする。対する兼清は、再びセットからのエンド。この《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets(ISD)》が《思案/Ponder》をめくって《昆虫の逸脱者/Insectile Aberration(ISD)》に大変身。さらに、3点のダメージを与えた後に相澤がキャストした《思案/Ponder》で見えたのは土地と《マナ漏出/Mana Leak》と、そして《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets(ISD)》。



 2体目の《秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets(ISD)》を追加した相澤だったのだが、これは《秋の帳/Autumn's Veil》のバックアップを受けた《金屑の嵐/Slagstorm》で一掃されてしまう。さらにこの《秋の帳/Autumn's Veil》の加護があるうちに兼清は《高原の狩りの達人/Huntmaster of the Fells》をプレイする。

 これが《高原の荒廃者/Ravager of the Fells》に変身するのを止める事ができなかったことで、相澤はこのハードパンチャーに残るライフをすべて持って行かれてしまったのだった。

相澤 1-1 兼清

Game 3

 ここでふたりの対戦は、残すところ10分となった。シャッフルがおわれば7分も残っていないだろう。互いに早いパターンがあるデッキだけに、エキストラターンまで見据えれば勝負をつける事は可能だろうか。

 マリガンをすれば残り時間があやしくなってしまうため、力強く相澤がチェックした初手は、3枚の土地と《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft(ISD)》、さらに《否認/Negate》《マナ漏出/Mana Leak》と妨害手段も豊富な望み通りに近いもの。ちなみに残りの1枚は《思考掃き/Thought Scour》。ここで、兼清がマリガンを選択。残り時間は5分に迫る。



 相澤は1ターン目に《思考掃き/Thought Scour》をプレイすると、3ターン目に思い切ったように《聖トラフトの霊/Geist of Saint Traft(ISD)》をプレイ。そしてこの返しのターンという絶好のタイミングで緑マナのない兼清はアクションをすることができない。

 2枚のカウンターにバックアップされた6点クロックの前でマナスクリュー。こうなってしまえば残り時間は5分でも多いくらいであった。

相澤 2-1 兼清

 こうして見事トラウマを克服した相澤恵司。目指すものはただひとつ。いまだかつて誰もなしえた事のない、ChampionshipとMr.PWCの2冠だ。今年、それを達成する権利は相澤だけにある。

Round 3:和田 寛也(東京) vs. 目黒 将彦

Round 3:和田 寛也(東京) vs. 目黒 将彦
By Tomohiro Kaji

フィーチャー席に呼ばれたのは、ミスター・PWC2011の和田 寛也。
お昼休憩をはさんで始まる第3回戦なので、対戦相手がなかなか来なくてそわそわしたが、特にペナルティなどもなくゲームが始まった。



Game 1

《闇滑りの岸/Darkslick Shores(SOM)》から《墓掘りの檻/Grafdigger's Cage(DKA)》と、なんだか怪しい立ち上がりの和田に対し、
目黒も《闇滑りの岸/Darkslick Shores(SOM)》らから《漸増爆弾/Ratchet Bomb(SOM)》を設置。
さらに和田は《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus(MBS)》から《太陽の宝球/Sphere of the Suns(MBS)》と、
《ボーラスの工作員、テゼレット/Tezzeret, Agent of Bolas(MBS)》クサさを醸し出しており、それ故か目黒は3マナをたててターンを終える。

明らかに青黒コントロールに見える目黒へ攻撃を始めなければ中盤以降ゲームを支配されてしまうであろう和田は、
《粗石の魔道士/Trinket Mage》、《ボーラスの工作員、テゼレット/Tezzeret, Agent of Bolas(MBS)》と連続で唱えるものの、2枚の《雲散霧消/Dissipate(ISD)》に阻まれゲーム外へ取り除かれてしまう。
クロックの作れない和田は《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb(SOM)》を2枚、《呪文滑り/Spellskite(NPH)》と並べるも、与えるダメージは《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus(MBS)》の毒1点。
思うように進まない和田に、目黒はさらに《血統の切断/Sever the Bloodline(ISD)》を《呪文滑り/Spellskite(NPH)》へ打ち込み、目障りなパーマネントを戦場から取り除く。

この隙に《ボーラスの工作員、テゼレット/Tezzeret, Agent of Bolas(MBS)》をキャストし、攻めの姿勢を作り始めた和田だったが、
だらだらしてしていた間に伸びたマナから目黒が唱えたのは《忌むべき者の軍団/Army of the Damned(ISD)》!
13体の2/2ゾンビ・トークンに一撃死の恐怖すら感じたが、落ち着いて《ボーラスの工作員、テゼレット/Tezzeret, Agent of Bolas(MBS)》の能力で《漸増爆弾/Ratchet Bomb(SOM)》をライブラリートップ5枚から見つけ、難を逃れた。

一気に勝負を決めたかった目黒だが、必殺技を外した反動は大きく、《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb(SOM)》でフラッシュバックを未然に防がれてはさらなるゲームエンドカードにたどり着くには時間がかかってしまう。
そして今度は和田が攻める番と、《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus(MBS)》を《ボーラスの工作員、テゼレット/Tezzeret, Agent of Bolas(MBS)》で巨大化させ、毒5点!
ここでライフシートに毒6と記しながら、後のない目黒はジャッジにルールの質問をした。



Q:クリーチャー化した《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus(MBS)》を《ボーラスの工作員、テゼレット/Tezzeret, Agent of Bolas(MBS)》で5/5に育てた場合、
ターンをまたぐとどうなるのか?

A:「飛行も感染も持たない、5/5のアーティファクト・クリーチャー」になり、再度1マナを《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus(MBS)》へ注ぐと、
「飛行と感染を持つ1/1のちらつき蛾・アーティファクト・クリーチャー」に戻ってしまう。

安心して《黒の太陽の頂点/Black Sun's Zenith(MBS)》で《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus(MBS)》を除去すると、毒死の心配はなくなり、
《マナ漏出/Mana Leak》+《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage(ISD)》で和田の後続である《殴打頭蓋/Batterskull(NPH)》を打ち消す。
さらに念願の《赤の太陽の頂点/Red Sun's Zenith(MBS)》で《ボーラスの工作員、テゼレット/Tezzeret, Agent of Bolas(MBS)》を破壊すると、
《捨て身の狂乱/Desperate Ravings(ISD)》でメインから入っていた《古えの遺恨/Ancient Grudge(ISD)》まで引きこむ始末!

完全に息切れしてしまった和田は、ドローしたばかりの《オリヴィア・ヴォルダーレン/Olivia Voldaren(ISD)》をキャストするも、
目黒の《青の太陽の頂点/Blue Sun's Zenith(MBS)》X=7でゲームのバランスは崩壊した。

目黒 1-0 和田

Game 2


先行、和田のマリガンながら《困窮/Distress(M12)》で目黒の手札を確認し、《マナ漏出/Mana Leak》、《古えの遺恨/Ancient Grudge(ISD)》、《血統の切断/Sever the Bloodline(ISD)》に、《精神的つまづき/Mental Misstep(NPH)》といった中から《マナ漏出/Mana Leak》を抜き取り、《ボーラスの工作員、テゼレット/Tezzeret, Agent of Bolas(MBS)》をいきなり通すことに成功する。
しかし、その後の和田の後続である《殴打頭蓋/Batterskull(NPH)》は、《ゆらめく岩屋/Shimmering Grotto(ISD)》からの《古えの遺恨/Ancient Grudge(ISD)》で対処されてしまい、
目黒が色マナで苦しんでいたのも束の間、《熟慮/Think Twice(ISD)》のドローで生きを吹き返した。

お互いにカードアドバンテージを稼ぎだしてはいるが、ゲームの勝敗に関わる行動は特に無く、
和田が《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb(SOM)》、《呪文滑り/Spellskite(NPH)》、《太陽の宝球/Sphere of the Suns(MBS)》と《ボーラスの工作員、テゼレット/Tezzeret, Agent of Bolas(MBS)》でクリーチャー化するための種を蒔き、目黒はダメージクロックである《殴打頭蓋/Batterskull(NPH)》などを《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage(ISD)》を活用しながら《マナ漏出/Mana Leak》でいなす展開が続く。

《太陽の宝球/Sphere of the Suns(MBS)》を5/5に変身させ攻める和田に、ライフよりもマナを優先させて《捨て身の狂乱/Desperate Ravings(ISD)》でドローをすすめる目黒。
だが、《ボーラスの工作員、テゼレット/Tezzeret, Agent of Bolas(MBS)》に触れるカードには恵まれず、単体除去だけでは5/5クリーチャーを量産されて手が追いつかず、
《虚無の呪文爆弾/Nihil Spellbomb(SOM)》で丁寧にフラッシュバック呪文を取り除かれてしまっては目黒に逆転の芽は残されていなかった。

目黒 1-1 和田

Game2同様に、和田の《困窮/Distress(M12)》で目黒の唯一のカウンター呪文である《雲散霧消/Dissipate(ISD)》を取り除くゲームスタートとなったが、
ここで残り時間5分のアナウンスが流れ、二人のプレイ速度は加速する。

和田が素早い手つきで《ボーラスの工作員、テゼレット/Tezzeret, Agent of Bolas(MBS)》を唱えれば、さっきは持っていなかった《雲散霧消/Dissipate(ISD)》で目黒もこれに答える。
しかし、和田も2枚目の《ボーラスの工作員、テゼレット/Tezzeret, Agent of Bolas(MBS)》をトップデックし、そのままキャスト!
大急ぎで《呪文滑り/Spellskite(NPH)》を5/5にして攻撃開始するが、目黒も《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil(ISD)》+《四肢切断/Dismember(NPH)》でこれに答える。

時間がない!



ダメージソースを急いで用意しなければならない和田は、《ボーラスの工作員、テゼレット/Tezzeret, Agent of Bolas(MBS)》の能力で《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine(SOM)》を見つけ出し、引き分けを避けようとこれを即キャスト。
だが、このタイミングで残り時間はなくなってしまい、延長ターンへと突入する。

《血統の切断/Sever the Bloodline(ISD)》といった《ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine(SOM)》に対応するカードを見つけられれば引き分けに持ち込めた目黒だったが、
《熟慮/Think Twice(ISD)》を連打してもそれを掘り当てることは叶わず、和田は5/5化した《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus(MBS)》の毒ダメージもあわせてこのマッチにかたをつけた。

目黒 1-2 和田

Round 2:平賀 優宏(神奈川) vs. 角岡 利幸(東京)

Round 2:平賀 優宏(神奈川) vs. 角岡 利幸(東京)
By Daisuke Kawasaki

 紡がれてきた物語がある。語り継ぐべき歴史がある。

 早くも2戦目から、多くの物語を背負ったプレイヤー同士がマッチングされ、このフィーチャーエリアに呼び出された。



角岡 「優勝と準優勝の差を見せてやりますよ」

 そう語る角岡は、もちろん準優勝の側だ。しかし、それは「プロツアーの準優勝」というタイトルに匹敵する大きな名誉の称号である。今シーズンもすでにグランプリトップ8にメンバーを送り込みまくっている超強豪チーム、Channel Fireballの総大将、Luis Scott-Vergasを準々決勝で打ち破っての準優勝という大きな名誉の称号だ。

 プロツアー・パリでの、石村・中田のトップ8入賞に続く角岡の活躍は、「日本勢はなぜ、勝てなかったのか」などと揶揄され、閉塞しつつあるように見えた日本のプロコミュニティに新しい風をもたらした。

 話は飛んで。ここ2年ほどの国内グランプリの優勝者を見てみよう。2010年シーズン、横浜は森 勝洋、仙台はBrian Kiblerが戴冠、2011年シーズンは神戸・広島でそれぞれ八十岡 翔太とMartin Juzaがタイトルを獲得している。

 からの、2012年の神戸。最近売り出し中のスターダスト・ジーニアス、行弘 賢を決勝で打ち破ったのは、ダークホース、平賀だった。この決勝戦のマッチアップと、平賀の勝利もまた、新しい風を感じさせるに十分だった。

 ともに、世界レベルのマジックシーンでは新しい風を感じさせた二人だが、それぞれのコミュニティでは長いキャリアを持つ知られた顔だ。ここはひとまず、赤緑ケッシグの角岡と、白黒トークンの平賀がこれから紡ぎ出す物語に注目しよう。

Game 1

 後手の平賀がマリガン。続く6枚の手札には土地が無く、2度目のマリガンを強いられることとなる。続く5枚も、土地が4枚に《深夜の出没/Midnight Haunting》という満足と言えるものでは無かったが、これをキープする。

 2マナ加速のないハンドをキープした角岡が土地を3枚並べる間に、平賀は《清浄の名誉/Honor of the Pure》《未練ある魂/Lingering Souls》と連続でトップデックしたことで、トークンで殴りきるプランをとることが可能となった。

 角岡は初手からあった《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum》を4ターン目にプレイ。対する平賀はここで小考の末に《忠実な軍勢の祭殿/Shrine of Loyal Legions》をプレイし、《未練ある魂/Lingering Souls》をフラッシュバックする。

 6マナに達した角岡は《業火のタイタン/Inferno Titan》を戦場に送り込み、トークンを1体破壊する。まだ多少は苦しいが、しかし、《金屑の嵐/Slagstorm》などでひっくり返しうる盤面を作り上げる。もちろん、平賀もここで自分が完全に優位であるとは油断することなく、力強くカードをドロー。引いたカードは《忘却の輪/Oblivion Ring》。力強い。

 3体の2/2によってライフが10となった角岡。《金屑の嵐/Slagstorm》で盤面を一掃し、さらに《不屈の自然/Rampant Growth》でマナを伸ばす。手札に《深夜の出没/Midnight Haunting》をもつ平賀はマナを残してターンを終了する。

 角岡はここで《酸のスライム/Acidic Slime》を召喚して《忘却の輪/Oblivion Ring》を破壊。戦場に出た時の能力をプレイヤー相手に使用して、平賀のライフを12とする。平賀はターン終了時に《深夜の出没/Midnight Haunting》でトークンを産み出す。アップキープを迎えて、《忠実な軍勢の祭殿/Shrine of Loyal Legions》の上のカウンターは6個に。

 角岡の10枚の土地と《業火のタイタン/Inferno Titan》、そして《酸のスライム/Acidic Slime》を前にして平賀は長考する。角岡のライフを削りきれるのか、そして自分は生き残る事ができるのか。結果、平賀は2体のスピリットをレッドゾーンに送り込む。《業火のタイタン/Inferno Titan》の攻撃は《忠実な軍勢の祭殿/Shrine of Loyal Legions》からうみだされるトークンで受けきる構えだ。



 ここで角岡が《ケッシグの狼の地/Kessig Wolf Run》をセット。そして、《業火のタイタン/Inferno Titan》の攻撃時の能力が平賀のライフを9にする。

 ちょうど11枚の土地が《業火のタイタン/Inferno Titan》にトランプルを与えることで、6体のトークンでは自分を守りきれないと平賀は土地を片付けた。

角岡 1-0 平賀

Game 2

 序盤のトップデックによって善戦したものの、ダブルマリガンと不遇な展開だった平賀。今度は黒マナが無い以外にはほぼ不満が無いカードをキープして先攻をスタートする。

 2ターン目に平賀は《無形の美徳/Intangible Virtue》をプレイし、対する角岡も《不屈の自然/Rampant Growth》をプレイする。平賀はそこから《未練ある魂/Lingering Souls》、角岡もマナ加速で2→4→6システム達成とGame 1と打って変わって互いに理想的な動きでがっぷり四つに組む格好だ。

 ここで平賀はプレイの分岐点を迎える。4枚目の土地として黒マナがでる土地を確保できなかったため、プレイの選択肢は《深夜の出没/Midnight Haunting》をプレイするか、手札で唸っている2枚の《十字軍/Crusade》、《清浄の名誉/Honor of the Pure》と《無形の美徳/Intangible Virtue》をプレイするかだ。

 平賀は《十字軍/Crusade》の追加2枚張りを選択。それにスタックして角岡は《感電破/Galvanic Blast》でトークンを1体除去する。返すターンで角岡は《原始のタイタン/Primeval Titan》をプレイする。

 4/4のトークンで2度目の攻撃を加え、角岡のライフを12とした平賀は《審判の日/Day of Judgment》をプレイして一度仕切り直そうと提案するが、角岡は2枚目の《原始のタイタン/Primeval Titan》プレイでそれを拒否する。角岡はすでに12枚の土地をコントロールしている。

 ここで黒マナを引き当てた平賀は、《未練ある魂/Lingering Souls》のフラッシュバックと《深夜の出没/Midnight Haunting》で4体のトークンを並べる。角岡は《原始のタイタン/Primeval Titan》でアタック。これをスルーした平賀に対して、有り余るマナを《ケッシグの狼の地/Kessig Wolf Run》に注ぎ込む……ことはせずに、6点のダメージで譲歩する。残ったマナを《業火のタイタン/Inferno Titan》の召喚に費やし、《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus》を3体残してターン終了。

 平賀は4体の4/4飛行・警戒クリーチャーをレッドゾーンに送り込む。こんなにポンポンと《セラの天使/Serra Angel》が産み出されては溜まった物ではない角岡だが、残しておいた《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus》によってブロックする。《大天使の霊堂/Vault of the Archangel》がさらに絆魂まで与え、平賀のライフは27に。

 2体のタイタンのアタックが、《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus》の毒で3/3となったトークンを除去しつつ、平賀に12点のダメージを与える。そして、大量に残ったマナを、そのまま残してターンを返す。

 平賀はゲームを決定づける3枚目の《無形の美徳/Intangible Virtue》をプレイして、3体のトークンでアタックする。角岡は、《墨蛾の生息地/Inkmoth Nexus》でまだ毒を受けていない1体をブロックすると、《ケッシグの狼の地/Kessig Wolf Run》で強化、さらに《無形の美徳/Intangible Virtue》へと《内にいる獣/Beast Within》をプレイし、なんとかライフを2残す。

 なんとか1ターンを稼ぎきった角岡だったが、しかし、続くドローは角岡を勝利に導く物では無く、勝負は3本目にもつれ込む。

角岡 1-1 平賀

Game 3

 先手の角岡は2ターン目からマナ加速をしているのに対して、平賀は《忠実な軍勢の祭殿/Shrine of Loyal Legions》スタートという少し物足りない内容。

 角岡はさらに《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum》に続けて次のターンには6マナにたどりつく構え。対して平賀は2枚目の《忠実な軍勢の祭殿/Shrine of Loyal Legions》。この《忠実な軍勢の祭殿/Shrine of Loyal Legions》のうちカウンターが載っている方を角岡は《酸のスライム/Acidic Slime》で破壊する。

 平賀が《清浄の名誉/Honor of the Pure》をプレイした返すターン、角岡はマナ加速するのみでターンを返す。いわゆる「実」が無い状態の手札なのか。こうなってくると、《忠実な軍勢の祭殿/Shrine of Loyal Legions》がじわじわと脅威となっていく。平賀はさらに《無形の美徳/Intangible Virtue》をプレイし、角岡がまたも土地をセットするのみだったターンエンドに《深夜の出没/Midnight Haunting》をプレイする。



 3/3の飛行・警戒は、2体で仲良く角岡のライフを14にすると、1体は《酸のスライム/Acidic Slime》の接死の前に散る。なんとか有意義なカードを手に入れたい角岡は、自身の《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum》もろとも《金屑の嵐/Slagstorm》で一掃し、カードを引くが……土地。この角岡のターンエンドに、一挙6体のマイアが平賀の戦場に並ぶ。

 ライフを守るべく、虎の子であった《感電破/Galvanic Blast》を1体のトークンに打ち込むところまで追い込まれた角岡には、逆転の手は残されていなかった。

角岡 1-2 平賀

 物語が紡がれるのは、プレミアイベントだけではない。全てのテーブルに物語がある。少なくとも、「ゾルゲ」平賀の語り継がれるべき歴史は、この東神奈川にある。

Round 1: 渡辺 雄也(神奈川) vs. 北川 知明(東京)

Round 1: 渡辺 雄也(神奈川) vs. 北川 知明(東京)

By Tomohiro Kaji

100名を超える参加者のPWCCの第一回戦は、ミスター・PWCから日本を代表とするプロプレイヤーへと成長した渡辺 雄也の試合をお伝えしよう。
さすがに地元の英雄でもある彼にはギャラリーにも「あれ?渡辺さんてバイないんですか?」と煽られてしまうのだが、GPでバイをもらえているんで、と彼は謙遜した答えを返した。
招待制のイベントであるこの大会は、普段行われているPWCの成績でバイが与えられる制度なのだが、確かにプロレベルのトーナメントに遠征してしまうと週末は忙しくなってしまうのだろう。
だが、折り紙つきの実力の持ち主と踏んでフィーチャーマッチに呼んだわけで、バイ持ちなどものともしない渡辺の活躍に期待したい。



Game 1

お互いに《闇滑りの岸/Darkslick Shores(SOM)》、《水没した地下墓地/Drowned Catacomb(M12)》、《沼/Swamp(ISD)》と淡々と土地が並び、先行の渡辺が《ネファリアの溺墓/Nephalia Drownyard(ISD)》を置くと、北川も笑いながら《ネファリアの溺墓/Nephalia Drownyard(ISD)》。
これは青黒コントロールのミラーマッチ、お互いに相手のターン終了時にライブラリーを削り合い、先に土地が止まったほうが圧倒的に不利ということがわかりきっているこのゲームに、苦笑いするしかない二人だ。

そしてすぐに土地が止まってしまった渡辺に対し、北川は順調にマナを伸ばしならが墓地に落ちた《熟慮/Think Twice(ISD)》をフラッシュバックしたりとターンが進む。
リソースの差は歴然となり、先に北川が《ネファリアの溺墓/Nephalia Drownyard(ISD)》を破壊するための《幽霊街/Ghost Quarter(ISD)》へとたどり着いてしまった。
《黒の太陽の頂点/Black Sun's Zenith(MBS)》をX=0で唱えるなど、一方的なライブラリー破壊を減速させる涙ぐましい努力をする渡辺だが、エンドカードがすべてライブラリーから落とされてしまった時点で投了となった。

北川 1-0 渡辺



Game 2

7枚の手札を見て悩む渡辺。
《マナ漏出/Mana Leak》や《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage(ISD)》といった軽量呪文のある初手だが、2ゲーム目にあたるこの試合は対戦相手の使うデッキが青黒コントロールであるとわかりきっている。
こんな自分から行動するには使いにくいカードよりも、むしろ土地がたくさんほしい渡辺はマリガンを選択し、《熟慮/Think Twice(ISD)》を含めた動きやすい6枚を手に入れゲーム開始!

同様に淡々と土地を並べ、《熟慮/Think Twice(ISD)》でカードを引く両プレイヤーのアクションに《ネファリアの溺墓/Nephalia Drownyard(ISD)》が鍵になる試合になるかと思われたが、北川の投入したサイドボードカード、《血統の守り手/Bloodline Keeper(ISD)》でカウンターを巡る戦いが始まった。

まず北川の《血統の守り手/Bloodline Keeper(ISD)》を渡辺が《マナ漏出/Mana Leak》すると、さらに北川が2枚目の《血統の守り手/Bloodline Keeper(ISD)》を唱え、これも渡辺は《マナ漏出/Mana Leak》。
これに続く3枚目の《血統の守り手/Bloodline Keeper(ISD)》を北川が盤面に叩きつければ、渡辺も負けじと3枚目の《マナ漏出/Mana Leak》で応戦!

3対3の交換で無事に終わって欲しかった渡辺だが、あいにくこの第6ターンまで順調にマナを伸ばし続けた北川の続く呪文で希望を砕かれる。
残った2マナから《否認/Negate》と、意地でもクリーチャーを通しにきたのだ。
除去の薄いサイドボード後のゲームで、こういった触りにくいクリーチャーが通ってしまうことは非常に致命的で、毎ターン現れる2/2クリーチャーに、渡辺は《熟慮/Think Twice(ISD)》をフラッシュバックして対策を探す。

ダメージのクロックがあるゆえ、《ネファリアの溺墓/Nephalia Drownyard(ISD)》を自分に使う渡辺だが、《熟慮/Think Twice(ISD)》は見つけられず、しかし、《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy(ISD)》を唱えて《ソリン・マルコフ/Sorin Markov》を拾い、さらに《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage(ISD)》で《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy(ISD)》をフラッシュバックすると、もう1枚の《禁忌の錬金術/Forbidden Alchemy(ISD)》へと繋ぐ。
だが、戦場のヴァンパイアたちが仲間を呼び続け、そろそろ対処しなければ数の暴力でライフの持たない渡辺には残された時間が少なく、カードアドバンテージを稼いでいる間にゲームが終わってしまう。

そして仕方なく勝負に出なければならない渡辺は、まずは《外科的摘出/Surgical Extraction(NPH)》で墓地にある《否認/Negate》を指定すると、北川は手札に持っていた《否認/Negate》で打ち消す。
ここまで計算通りの渡辺は、その隙に《ソリン・マルコフ/Sorin Markov》を《雲散霧消/Dissipate(ISD)》のバックアップで戦場へ呼び出し、北川の攻撃の矛先を変えようと試みる。
トークンを除去しつつライフを回復させつつ忠誠度を上げる効果に、時間を十分稼ぐことを期待していたのだが、渡辺のタップアウトのタイミングで北川は《決断の手綱/Volition Reins(SOM)》!
この裏切りの《ソリン・マルコフ/Sorin Markov》で《瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage(ISD)》を破壊すると、忠誠度はもう8へと増えてしまった。

ただでさえ対処しなければならないクリーチャーたちがいるのに、《精神隷属器/Mindslaver(SOM)》を設置されたようなこのシチュエーションだ。



なんとか《黒の太陽の頂点/Black Sun's Zenith(MBS)》で《血統の守り手/Bloodline Keeper(ISD)》らヴァンパイアたちを一掃させるも、北川の手によって操られた渡辺は、自分の《聖別されたスフィンクス/Consecrated Sphinx(MBS)》を《雲散霧消/Dissipate(ISD)》しつつ、《幽霊街/Ghost Quarter(ISD)》で《ネファリアの溺墓/Nephalia Drownyard(ISD)》を壊し、さらにライブラリーにあるはずの土地を見つけない、という行動を取らざるおえず、そのまま投了へと追い込まれてしまった。

北川 2-0 渡辺